2020/09/10 15:45
MokuNejiは、木製のネジを使ったアイテムを作るブランドです。
「木工ろくろ」という山中漆器の「工芸」の技術に、
「ネジ切り」という「工業」の機械技術が出会い、生まれました。
石川県の歴史ある伝統工芸に、漆器があります。
その中でも、ろくろを使って木地を作る分野で、職人さんの質と量ともに
国内トップの位置にあるのが山中漆器。
その山中漆器の工房から、
「ネジ切り(ネジのすじを削り出す)の機械があるのだけど、これを活かして
何かいい製品ができないだろうか。」と、
地場産業のデザインを扱う、小鳥来さんにオファーがあったそうです。
<木工ろくろの作業風景>
木は水分量に応じて伸縮します。
乾燥による木の伸縮を「木が動く」と言い、
職人さんは、ろくろで挽いている間も 、その動きが感じ取れるそうです。
一方、ネジ切りの機械も0.1mm単位で調整するような
繊細で緻密な作業です。
そのため、”動く木”に対して、
直接ネジ切りを施すということは、かなり難しい挑戦でした。
それは熟練の技術を持ってしても、ときどき製品にならないものも出てしまうほど。
しかしその挑戦から、ほかに例を見ない製品が生み出されました。
製作の工程は多岐にわたり、乾燥にも時間がかかるため
発注から納品まで半年以上かかることもあるそうです。
美しい木目も特徴のひとつ。
山中漆器は木目が縦に入ります。
その「縦木取り」と呼ばれる木の取り方は、
他の一般的な木製品の「横木取り」に比べ、効率の悪いものです。
しかし、原木のまま、木の育つ方向に逆らわないその木目は
強度があり、歪み、伸縮にも強いのです。
また、職人さんたちは、手作りで専用の刃物をつくり、
それを何本も使い分けて、きれいな表面を作り上げます。
山崎宏氏によってデザインされた、美しいプロポーションの製品。
それは熟練した技術を持つ、木工ろくろの木地師の
創り出す曲線によって実現されています。
するするっと回る木製ネジの感覚、
なめらかな曲線の肌触り、木のあたたかみを
感じていただけたらと思います。
たしかなものは、手に取るたびに心地よく
暮らしのなかで、こころも豊かにしてくれます。
MokuNejiの製品はこちらからご覧いただけます。