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2020/10/01 00:00


 

紡績技術を次世代へつなぐ 日本発のファクトリーブランド“ANSPINNEN”


ANSPINNEN(スピネン)を立ち上げた 小金毛織は日本でも数少ない紡毛紡績メーカーで、

原料の輸入から紡績、撚糸までの工程を、一貫して秋田県湯沢市の自社工場でおこなっています。

自社工場で一貫生産することにより、クオリティを高く保ちつつ安定して 高品質な糸を作ることができるのです。


特に、カシミヤ糸を紡績できる会社は国内に たった3社しかなく、

そのうちの1社として 確かな紡績技術を長年受け継いできました。



ブランド名の“ANSPINNEN”は、

ドイツ語の「紡ぐ・つなぐ」という意味のSPINNENに、前置詞ANをつなげた名前で、

紡績会社を基盤とし、一部ドイツ由来の機械を使っていることから名づけられました。


“ANSPINNEN”というブランド名には、

日本の技術を次世代へ紡ぎ つないでいくという思いも込められています。




紡毛紡績から始まるANSPINNENのニットづくり



紡毛紡績とは手紬を工業化した 伝統的手法による糸づくりのことで、

空気を多く含んだ手紬に近い 柔らかな糸に仕上がるのが特徴。


動物から刈り取った綿状の原毛を、混ぜ合わせ、繊維を整え、引き延ばしと、

いくつもの段階を経て 一本の糸にしていきます。

そうしてできたい糸を 数本撚ってあらゆる太さの糸にするのが撚糸です。

撚糸することで 膨らみや強度が増し、編み目も綺麗になるそうです。



小金毛織では厳選した最高級原料を 最大限に活かすため、

原料をわたの状態で染める TOP染で本来の風合いを引き出しています。


わたの状態のまま染めることで 原料へのダメージを抑えることができ、

3~6色のわたを混ぜることで 色に深みを出すことも可能。

TOP染でしか表現できない風合いや、上品な色使いも魅力の一つです。



職人さんの手によって編み上げられた、育てる余白のあるニット



ANSPINNENの定番商品として 絶大な支持を集めるカシミアストールは、

手横と呼ばれる手動式横編み機を使い、職人さんの手で1枚1枚丁寧に編み上げられています。


人の手で動かし、繊細な技術を必要とする手横は生産効率も悪く、

自動横編み機の普及とともに ほとんど使われることがなくなってしまいましたが、

自走横編み機と比べて、より柔らかでふんわりとした風合いを表現できるそうです。


良質な糸を使い、職人さんの手によって薄く甘く編み上げられたニットは、

糸が膨らむ余白があるため 使用していくうちに成長し、肌触りや風合いが更に良くなっていきます。



着用後は2,3日休ませたり、

洋服ブラシでブラッシングしてあげたりすると、毛玉ができにくくなります。


洗濯はやはり手洗いがおすすめですが、

機種によっては洗濯機の手洗いコースやおしゃれ着コースでも大丈夫。

ANSPINNENのディレクターで 元n100の大井幸衣さんも洗濯機を使用しているそうです。

洗濯機で洗う際には洗濯ネットに入れてあげてください。


干す際は、伸びてしまわないように平干しが理想です。

セーターやカーディガンの場合は、ハンガーで吊るして両袖をクロスさせ

肩の上に掛けてあげるだけでも袖の伸びを抑えることができます。


カシミヤなどのニットは日頃のケアが難しいと思われがちですが、

大切に扱えば長年愛用していただけます。

愛情込めて大事に育ててあげてください。



ANSPINNENのニットには 一度着用するとやみつきになる魅力があります。

国内の紡績業界は、コストの安い海外生産が取って代わり衰退の一途をたどっていますが、

小金毛織の確かな紡績技術は生産者と消費者をつなぎ、次世代へと紡がれることでしょう。